知らない町の遠くの空を
夢みるたびに風が
ささやく
そこへ連れて帰ってと
帰りたい帰りたい
それなのにどこへ
帰れば良いのか分からない
哀しくなって
雲が流れてゆくその先を
そっと仰ぎみる
地平線へまっすぐ進む国道の
その向こうに小さな光を探す
発車する列車の行き先を
声に出して読む
それは
ただの文字列
帰るところはそこではないと
また知るために
車窓からこぼれる人かげを見送る
知らない町の遠くの空を
夢みるたびに風が
ささやく
そこへ連れて帰ってと