5 なにもの?

 

 

なにもの?

 

私は書いて現実的にどうしたいというわけでもない。

もちろん私の書いたものを見つけて読んでくれる人たちに巡り会い、人の息遣いや声に恵まれるのが一番幸せな形なのだろう、けれど、

とにかく書くことによって例えば社会的に、どうにかなるという具体的なものを目指しているわけではない。

 

何ものかになりたいから書いているのではない。

すでに何ものかであるから書いているのでもない。

 

幼いころからずっと、とにかく書かずにはいられないからそうしている、ただそういう性質の、とりたてて何者でもない人間で、だからと言ってじゃあ一体何を書いているのかと問われると答えに困る。

 

色々考えてみたりむちゃくちゃに試してそれらしい形を作ろうともしてみたが、結果、私が書いているものはつまり

「すべて心の記録です」

というのが今のところ一番正しい。

 

 

 

 

 

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